新語・流行語大賞1985

1985 新語部門・金賞
分衆
受賞者:近藤道生((株)博報堂生活総合研究所社長)
経済的絶頂期目前の日本社会の自信を表した新語。日本人の価値感は多様化・個性化・分散化してきたとし、従来の均質的な“大衆”ではなく“分衆”が生まれたとした。
1985 新語部門・銀賞
パフォーマンス
受賞者:石橋政嗣(日本社会党委員長)
若者の間では、舞踏、演劇、音楽など、芸術の表現活動全般を指す「パフォーマンス」という表現を知らない者はいない。しかし、この年、“お堅い”日本社会党が新宣言草案の中に「愛と知の力のパフォーマンス」という表現を用い、一挙に国民の間にこの言葉が広がった。
1985 新語部門・銅賞
NTT
受賞者:真藤 恒(日本電信電話(株)社長)
1984(昭和59)年12月20日に電電改革三法が成立し、日本電信電話公社は民営化され、NTT(日本電信電話株式会社)として再スタートした。NTTという名は新社名発表からわずか数カ月、驚異的な早さで認知された。
1985 新語部門・表現賞
キャバクラ
受賞者:新富 宏((株)レジャラース社長)
「キャバレー」と「クラブ」の合成語。風俗産業の生き残り策として考え出された新しい業種。「若い」「素人」を売り物にした女性がマンツーマンで接客、“上品で明朗会計”がうたい文句。
1985 新語部門・表現賞
言語戦略
受賞者:鈴木孝夫(慶応義塾大学教授)
『武器としてのことば−茶の間の国際情報学』(新潮選書)で提唱された。国際紛争を解決する手段として、軍備に替わって「言葉」を武器にすべきだという発想で、そのための戦略が絶対に必要であるとした。
1985 新語部門・表現賞
ネバカ
受賞者:諸井 薫(エッセイスト)
「オールナイターズ」「おニャン子クラブ」など女子大生・女子高校生ブームが真っ盛りの世相を痛烈に批判した新語。 大人におだてられ、舞い上がっている女子高生たちを“根っからのバカ”と指摘。
1985 流行語部門・金賞
「イッキ!イッキ!」
受賞者:慶応義塾大学体育会代表
今でもよくやる、若者たちが酒を飲むときに周囲の者がはやしたてるかけ声。以前から学生サークルのコンパなどで行われていたが、その年代の若者たちが実社会に出てきて、背広姿で“いっき飲み”をする様子は“若者の幼児化”の象徴との見方もある。受賞は慶応義塾大学体育会が最初に始めたという説をもとにした。
1985 流行語部門・銀賞
トラキチ
受賞者:松林 豊(阪神タイガース私設応援団長)
21年ぶりの優勝を遂げた阪神をサポートした熱狂的な応援団のこと。ハッピ、メガホン、帽子の三種の神器で身を包み、“阪神命”と大フィーバーする老若男女は社会現象ともなった。“にわかトラキチ”も多数出現した。
1985 流行語部門・銅賞
角抜き
受賞者:山岸一平(日本経済新聞政治部部長)
この年、目白の闇将軍と言われ、キングメーカーとして政界支配を続けた田中角栄が倒れた。部下である竹下登の造反、そして脳梗塞の発症という事態に陥り、急速に政治的影響力は失われた。この状況を的確に伝える言葉として、社会的に広く認知された。
1985 流行語部門・大衆賞
「私はコレで会社をやめました」
受賞者:三好重恭(アルマン(株)代表取締役)
禁煙「パイポ」のCMから生まれた流行語。パイポを持ちながら「私はこれでタバコを止めました」と言うモデルが何人か続いた後、小指を立てた男性が「私はこれで会社を辞めました」とオチをつけた。サラリーマン層にバカ受けした流行語。
1985 流行語部門・大衆賞
「投げたらアカン」
受賞者:鈴木啓示(NHK野球解説者・元近鉄球団投手)
青少年の非行防止キャンペーンとして、公共広告機構が流したテレビCMから生まれた流行語で、子供に人気があった。300勝投手・鈴木の、独特の関西弁アクセントが奇妙なリアリティーを持っていた。
1985 流行語部門・特別賞
100ドルショッピング
受賞者:中曽根康弘(内閣総理大臣)
凄まじい経済発展、大幅な輸出超過、世界経済一人勝ちの日本は、多くの国との間に深刻な経済摩擦が生じるようになった。アメリカやECからの輸入圧力に悩まされた中曽根首相は、国民に舶来品を1人100ドル買って欲しいと訴えかけた。その姿に国民は半ばあきれ、皮肉を込めて流行語とした。
1985 流行語部門・特別語録賞
「愛しているからチラいのよ」
受賞者:生島治郎夫妻(作家)
人妻であり韓国人であるソープランド嬢との愛を描いた『片翼だけの天使』はベストセラーになった。出会いから結婚まで、その経過を丹念に、心のひだまで分け入るような描写は、愛の純情と悲しさが痛切に染み入る。この言葉は、韓国人女性が放ったもので、その真情に多くの人が泣いた。
1985 流行語部門・特別功労賞
テレビ番組「ひょうきん族」から発する各種流行語
受賞者:横沢 彪(フジテレビジョン編成局第2制作部)
「ひょうきん族」に代表されるフジテレビのバラエティー番組は、テレビの在り方を変えたと言われる。新・珍・奇な表現と強烈な生命力こそがテレビだという確信で、そこからは、多くの流行語が生み出された。流行語プロデューサー賞とも言える。



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